実証実験その2。デジタル簡易無線機
今は携帯電話がつながらないところなどほとんど無くなり、電話がつながらない不便さや不安は忘れてしまいました。
そんな気分でうっかり山に入ると、携帯電話がつながらない不安がざわざわざわと襲い掛かってきます。普段から登山を行っている人も携帯がつながらないことは納得しているにもかかわらず、やっぱりつながってくれると嬉しいものです。
日本三大渓谷の一つと数えられる大杉谷も携帯電話がつながらない場所の一つです。昨年、ソフトバンクが登山口に基地局を立ててくれたので、登山口付近は電波が入りますが、登山口から数十メートル歩くとすぐにつながらなくなってしまいます。大杉谷は尾根を歩く登山と違い、谷筋を歩く登山道になっているので、電波の届きを難しくしています。
年に2、3回は滑落等の事故が発生している大杉谷。やっぱり緊急連絡手段は確保しておきたいものです。
大手携帯電話会社さんに頼っていると、いつまで経っても開通しないので、無線という手段を考えました。昔はアマチュア無線が一般的で、登山する人はとりあえずアマ無線を持ってでかけたようですが、今ではすっかりオワコンのアマ無線。ということで、比較的新しい(2008年登場)デジタル簡易無線という無線に注目しました。アマ無線のように試験を受けに行くって免許をもらうっていう手間が無く、登録だけで使えるデジタル簡易無線。
当初あまり期待はしていなかったのですが、気まぐれで登山センターからどれくらい電波が届くか?実験してみたら、意外や意外。一山越えて電波が届いたので「これはいけるかも?」といろいろ勉強し始めました。
参照=「デジタル簡易無線機の電波はどこまで届くか? 大杉谷登山センターから」
ということで、今回は実験第2弾。
勉強の成果として、アンテナを変えてみることにしました。

アンテナを標準アンテナから車載用アンテナに取り替えて、登山センターに設置。ここからどれくらい電波が届くのか実験しました。

そして、当初目標としていた仙人の家、交信成功。
仙人(巽幸則氏)の家は電話も通じないため、連絡手段が無く、登山ガイドを依頼する時や登山道パトロールの打ち合わせ等、みなさん苦労されていました。仙人的には「俺、いらないけど。」と言ってましたが、連絡したい人が困るのですよね。

11cmの標準アンテナから83cmのオプションアンテナに替えるだけで、電波が2倍も遠くに飛ぶようになりました。
こいつぁわー、面白い!!


ちなみに、ここから移動端末側もアンテナを標準アンテナからオプションアンテナ(20cm)に替えました。
アンテナを変えると電波の飛距離が飛躍的に伸びることが分かりました。
今回の実験では登山口までですが、次からは大杉谷の登山道、本番です。桃の木小屋、粟谷小屋まで開通させるのが目標です。